U.F.O. TWを分解してみる その2 とりあえず分解しきる

前回、U.F.O. TWの分解から解析、修理や強化、もしくは改変や転用など、長丁場になるとは言いましたが、現時点でもまだもうちょっと踏み込める領域がありますので、今回はそこを追記します。
比較的簡単に触れられる部分については言及出来ますので、そこから先どのように修理するか、あるいは補強するなり改変するなり別の使い方を模索するなりという指針を考える判断材料に出来るのではないかと思います。
また、今回のパートで筆者の故障原因が明確になりました。

前回『U.F.O. TWを分解してみる その1 本体内部到達まで』から引き続きまして、まだもうちょっと分解していけるところがあるので、見てみましょう。

と、その前に前回記事の追補をしておきます。

本体ケースの上蓋に該当する部分はご覧のように紫色ヘッドパーツのボタン(黒色の部分)がそのまま基板上のボタンを押すようになっていて、その下(画像ではその右側)の透明のパーツが基板上のLEDを導光する部分。
そして、充電口となるポゴピンのメス部品と電線が繋がっています。これで以上です。

例えば可搬性が落ちてしまってでもバッテリーを外出しにして大型化したい、なんてことを考えた場合はこの充電口のパーツを取っ払ってここから電線を出してモバイルバッテリーの出力(昇圧前の出力)と繋げ、充電はモバイルバッテリーの充電ポートにて行う、という形にも出来ると考えられます。(自己責任ですのでくれぐれも)

そして前回、心配していた複数バッテリー搭載についてなんですけど。

双方のバッテリーのプラス同士マイナス同士を撚り合わせて一つの端子にはんだ付けしています。
いや、これってこんなんで平気なの? これって筆者が懸念している片減りが普通に起こる配線じゃない? 筆者はこの辺り知識不足なので筆者が間違ったことを言っているのかもしれませんが。これっていっつも先に減る方が固定化されちゃうよね?

逆に言うとこの円錐形状の中に収めるという目的以外にバッテリーを複数搭載している意味など無く、それは基板上の端子が1セット分しか用意されていないことからも明確ですので、ココら辺の問題をきっちり解決したい方はバッテリーの単品化というのも検討事項に乗るかと思います。

その右隣に黒い配線が2本あるのですが、基板上に「TH」と印刷されていることから恐らく温度監視用の端子だとは思います。良くスマホのバッテリーとかで「+」と「−」の他に「T」ってあるじゃないですか。多分あれです。
そして、その配線の先が……。あの、ちゃんと確かめるなら接着剤を剥がしてみるべきなのでしょうけど、ごめんなさい現時点ではそこをひん剥く気が起きなくて。でも、多分、配線だけで何も無い気がします。
あのぅ、スマホやタブレットをバッテリー無しでも動作するようにしようとする改造の記事を筆者はいくつか見たことがあるのですが、そこで「T」は適当に抵抗かましたりして誤魔化すみたいな感じになっていることが多くて。
って、言い訳がましく書いていたら、やっぱりここは接着剤をひん剥いて中身見ておくべきなのではないだろうか? と変なジャーナリスト精神が湧いて来たので追加で写真撮りました。

接着剤が取り切れていなくて見づらくて申し訳ありませんが、これが一応温度センサーなんでしょうかね? 筆者は良く分かりませんが、ただの配線だけではなく何かしらの部品が付いていそうではあります。
ただ、ここでそもそも論を言ってしまうと、この配線、片方のバッテリーにくっついているだけですので、もう片方のバッテリーには「TH」に該当するものは来ておりません。
そもそも基板側がバッテリー1つという前提になっていますので、この辺りやっぱりどうしても筆者にはやっつけ感が感じられてしまいます。

気になるバッテリーの型番は。

MYD 10280 150mAh 3.7V 20210603

恐らく10280はサイズで直径10mm、長さ280mmの円筒形バッテリーであることを指しているのかな?
20210603は恐らく製造年月日と。

某Aliさんで軽く検索しただけですと、高っか!
安価なのが見つからないと換装もする気になれませんね。これはやっぱりバッテリー枯渇したら外出しかな? 筆者は。

んで、筆者はここで少し驚いたのですが、容量が150mAhもあります。
筆者は過去記事『U.F.O. TW レビューその3 バッテリー関連』でバッテリー容量を推定120mAhとか130mAhとか書いていたのですが、倍以上ありました。150mAh2本ですからね。

つまり両乳分で合計すると600mAh分のバッテリーを積んでいるわけでして、これはU.F.O. SA純正の520mAhよりも多い数値になります。
それでいて連続稼働時間の仕様がU.F.O. SAの2時間から半減して1時間とされているので、やはり相当パワーに振った感じなのでしょうね、U.F.O. TWは。

さて、分解作業に戻りまして。

こちらの基板ネジ止めが2箇所されているので外せます。
チップの型番とか気になるところではありますが、ちょっと大変なので置いておいて。

はい。そしたら、またその下に2つネジが見えますね。

ただこれ、恐らく基板を斜めに取り付けるための台座パーツで、何かしらの理由で一体成形出来ずに別パーツになっただけだと思います。
下の黒いのって絶縁塗料か何か?(筆者は知りません)

基板の裏側がこんな感じです。両面実装で小型化をしています。
なお、皆さんには不要な情報ですが筆者の備忘録として。筆者手持ちのカメラは尽くマクロ撮影に弱く、だいたいどれも10cmくらいが寄れる限度になっています。唯一、筆者の手持ちでそれ以上寄ってもピントが合ったのがMAZE ALPHAでした。このスマホ、もうとっくの昔に倒産した会社の製品ですが、マクロ撮影用として大切にしましょう to me.

基板のアップ載せるなら表面も出せや! はい、そうですよね。

銀色の刻印は盤面が均一でないので読み取りにくいのですが、ちょっと画像処理して判別し易くしてみます。

もう一個別の処理をしたのも載せておきますね。

こちらの深入りは現時点ではしないでおきます。

過去記事『U.F.O. TW レビューその5 その4の一部訂正と分解難易度 (乳首責めグッズ)』でも触れました防水蓋パーツを取り外しまして、そこで現れるネジ2本を外すとモーター部が外せるようになります。
ここのネジは今までと形状が異なりますので要注意です。

本体中央の白い円筒を真っ直ぐ上に引き抜きますと、白いシリコンパーツで覆われたモータ部が取り出せます。
配線が繋がってますので、配線を引き千切らないように注意です。

基板上のコネクタを外すとモーター部が分離出来ます。
先にコネクタを外しても良かったかもしれませんね。
コネクタは固定用の引っ掛け爪が出っ張ってはいるのですが極僅かですので丁寧にゴリゴリ(ってなんだ)してると外れるかと。
もっとちゃんとしたい方はコネクタの受け側(基板側の枠)の上部左右に除き窓みたいな小さな穴が空いていまして、そこにコネクタの出っ張り部分が引っ掛かる構造になっていますので、そこが引っ掛からないように何か先の細いモノでも突っ込んで押してあげましょう。
凄く小さい穴なのでここに突っ込めるモノなんてそうそう無い気もしますが。


んで、このシリコンカバーどうやって外すんだ? って悩んで、また諦めて日を改めたのですが、なんてことはない。
このタイプはギアが外せるので、ギアを外せば簡単にカバーも取れるのでした。

シャフトが出てる方にネジが2本ありますよね。
これがギア固定ネジですので、外します。

はい、すぽーん。
この辺りのギアは多分規格化されていると思いますので、このような小さなギアが付いているN10とかN20とかのモーターに取り付けられるように決まった位置にネジ穴が空いているものと思われます。(全部がそうっていう保証はありません)

ここだけは過去長年いろいろと苦労してきた筆者のアドバンテージが多少発揮出来るところ。(^^ゞ
手前から、U.F.O. TWのエンコーダ付きモーター。恐らくN20規格です。
なお、シャフトの長さは軸回りのリブを除いた基準面からの出っ張り量がおよそ8.3mmとかそんな辺りです。(ガタが出ちゃっているので誤差大きめであることをご了承ください)
続いて、中央の配線が繋がっているやつがSAの付かないU.F.O.のモーターです。こちらはN10とN20の中間のサイズとなっていて量販では恐らく見つけられない(から製造終了したんですかね?)です。
一番上は筆者が詐欺にあったN10モーターです。

これら、モーターからの出力の形状が同じであるため、ギア部分だけを入れ替えるということが可能です。
ただし、シャフトの長さが違っていたり、ギア比も同じとは限らないので注意が必要です。

ここで、驚愕の事実が発覚します。
見づらいですけど、ギアの歯、段数を良くご覧ください。
ギアは一回転で歯数の異なる歯車を組み合わせて回すもので、1段のかみ合わせでは大した減速が行えないため、何段かに分けて減速していきます。
例えばU.F.O. SAでは5段ギアとなっていて減速比はおそらく1:250か1:298辺りになると思われます。
この辺りは過去記事『U.F.O. SA 8年目のメンテナンス&修理&チャレンジ その1 モーターとギアを調べる』で考察していますので、興味ある方は参照ください。

そして同じく、過去記事『U.F.O. SA 8年目のメンテナンス&修理&チャレンジ その2 ギア更新頓挫』にて、筆者はより遅いギアを所望して高価な製品を購入したのにも関わらず、4段ギアの速いギアをSpec詐称して送られるという詐欺被害に会いました。
そのときのギアが上の画像の一番上なんですが、その一番上のギアと一番下のU.F.O. TWのギアを見比べてみてください。
そして、今度は真ん中のU.F.O.(U.F.O. SAも同じギアと思われます)と見比べてみてください。

明らかに今回のU.F.O. TWのギア、段数が一段少ないです。
歯車の比には限界があるので、一段で落とせる速度には限界があります。
その段数が少ないということは、U.F.O. TWはU.F.O. SAほど減速していない、という結論が導き出されます。

例として、筆者の過去記事『U.F.O. SA 8年目のメンテナンス&修理&チャレンジ その1 モーターとギアを調べる』にとあるギアメーカーのSpec表があるのですが、そのメーカーの場合ですと4段ギアでは一番遅いギアでも1:100です。
つまり、U.F.O. SAまでとU.F.O. TWではモーター制御の思想が全く異なる、ということになります。
なお、すみませんがU.F.O. MOBILEU.F.O. BASICは筆者が所持していないので不明です。多分、比較的安価な製品なのでU.F.O. SAシリーズの方を踏襲しているとは思うんですけど。

U.F.O. SAは単純な構造で比較的弱いモーターながらも減速比を大きく取ることで回転速度とトルクのバランスを取った設計。
U.F.O. TWでは減速比はさほど追求せず強いモーターを搭載してエンコーダーで作動状況を監視する設計と言えそうです。
ギアはあまり減速しないのにU.F.O. TWはU.F.O. SAよりも低速で力強く回転します。
なるほど、つまり低速でもパワフルなようにしているので連続動作時間も短くなるってもんですね。

もっと詳しく調査しないと最終結論は出せないものの、この時点でもうこのコントローラーはエンコーダー搭載が前提で、他の機器を接続してコントロールさせようなんて目論見は上手く行きそうも無い気がします。


さて、ここまで分解出来て、筆者の故障ケースがはっきりしました。
当初の予想が的中しまして、ギアの破損。正確にはシャフトの受け辺りが破損変形しています。

ちょっと画角等合わせられなかったので目視で差が分かりにくいかもしれませんが、シャフトの根元辺りの黒っぽい部分の幅というか面積が上下で違うように見えませんか?
上がシャフトを引っ張ったところ、下が押し込んだところです。

本来、故障していないギアのシャフトはこんなにガタはありません。筆者の故障したギアのシャフトは確実にガタついています。

んなら、このガタを詰めるように細工してやれば復旧出来んか? とか思って、ギアにグリースを足しつつ、あちこちペンチでカシメてみたりして回転の様子を試して見たのですが、どうしても、引っ張った状態であればスムーズに手で回せるのですが、押し込んだ途端引っ掛かる。
それも、何かガタガタになっている(歯車に隠れている部分なので目視確認出来ません)みたいな引っ掛かり方をしているので、恐らく内部の細かい形状がぐちゃぐちゃに潰れてしまったのだと思います。
ってかそういう変形を生じてしまったからシャフトがガタつくようになってしまったんですものね。
ちょっとこれを手修正如きで直す、なんて甘っちょろいことは出来ないみたいです。


さて、そうなると筆者のトラウマ、ギアを購入しないことには修理出来ない、ということになるのですが、実は替えのギアについてはU.F.O. SAよりもU.F.O. TWの方が条件を緩くすることが可能です。
アタッチメント高さとのバーターになってしまうのですが、シャフトが長い分にはアタッチメントがより高く浮くようになるだけです。が、もちろん、長く伸ばすとシャフトが故障する可能性が増します。
じゃあ、短くなる方向はと言うと、純正でも3.8mmくらいの出っ張りですので(過去記事『U.F.O. TW レビューその4 防水機能と懸念点 (乳首責めグッズ)』参照)、これが例えば3mmくらいになっても回転は出来るかもしれません。樹脂パーツが変形してしまう可能も無くはないので出来ればあまり短くない方が良いでしょうが。
そして、最悪、防水蓋を外した状態で使用するならばシャフトの出っ張りを約3mm増やすことが出来ます。
本来ならば、防水蓋を外すなんて、浸水故障の確率が増す行為は決して勧められるものではないのですが、筆者みたいに仰向けでしかU.F.O.を使用しないし、ローションの使用量も少ない、なんて場合でしたら、外すというのも一つのアイデアとして持っていて良いかと思います。
また、シャフトを短く出来るならば、今回のような斜めに押し付け過ぎてシャフト受け変形破損という故障は起きにくくなりますので、防水性能とのバーターでシャフト強化のために短くするというのはアリです。

ただし、シャフトを短くすると、ただでさえ届かなかったアタッチメントがさらに遠くなります。
そこでアタッチメントを高くしてしまっては元の木阿弥ですので、アタッチメントが低くても使える方法を模索しなくてはなりません。
そうなると、カップがキツくてももう思い切って広げてしまう、という手段が考えられます。
カップを思いっきり広げると、本体との接着が剥がれてしまうわけですが、本体内部に水分が到達しなければ良いと割り切って、剥がれを許してしまうというのがまず一案。
なんなら本体側の径を太くするように何か詰物をしてしまって、もう最初からカップが広がる前提の形状に加工してしまう、という案もあります。
ここで肝要なのは、本体内部への水分侵入経路はしっかり遮断する、ということと、ネジ部分も防水処理をきちんとしましょう、ということです。
ネジがサビたら本体カバーが開けられずにメンテ出来なくなってしまいますので。


どうでしょうか? ここまで情報を開示したら、皆様もそれぞれに対処の案なり方向性などが考え易くなって来るのではないでしょうか。
人それぞれに故障モードも違うでしょうし、どういうふうに直して行こうか重点を置くポイントも違うと思いますので、それぞれご自身に合った対処法を考える判断材料になれば幸いです。
とりあえず、筆者はこれからギアを物色して安いのを試しに購入しようかなぁ? シャフトの長さ的にも減速比的にも高い製品しか見当たらないというほどU.F.O. SAの時よりはキツくは無さそうなので、何かしら見つかりそうな気もしています。
ただ、2台セットで更新しないと左右で様子がバラけてしまうので、結局故障していない方も分解改造しなきゃならないというのが億劫ではある。

2024-06-15

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