2年7ヶ月振りにU.F.O. SAのカップを分解してメンテナンス

過去記事『U.F.O. SA 丸10年 11年目突入! (その他自作グッズ等の現在)』でも軽く触れましたが、常用しているU.F.O. SAのカップ1つが先日動かなくなりまして。
ただ動かないだけならば断線を疑うところなのですが、コントローラー側の電源が落ちてしまう症状が併発したりしたので筆者は短絡(ショート)してるかと思って久し振りに開腹メンテを行うことにしました。
まぁ、結論から言いますと配線周りは至って健康でして全くメンテする必要は無く、動かなくなった原因はギアの固着でした。
手でちょっと動かしてあげれば楽々復旧できたかもしれません(手で動かしたのが分解後だったもので)が、グリースが乾燥していたので充填し直しました。
今回はその様子を記録残しします。

普段常用しているU.F.O. SAのカップです。
動かなくなった方は伏せたお椀のようになっている方です。
この時点で筆者はちょっと気になったことがあったのですが、この配線、元々赤黒がくっついている電線なのですが、必要部分以外を裂いたりはしていないはずなのですが、カップから出てくるところ数cmに渡って赤黒が分離してしまっています。
これ常用しているもう1つのカップ(画像では内面が見えている側)も同じように数cm分離してまして、予備にしている方の2カップは分離してません。
……チクニーのときにこんなところにも負荷が掛かっているんですね。

さて、今回動かなくなってしまったのはこちら。
ただ、ぱっと見別に怪しいところなんて無いんですよね。
というわけで久し振りに分解しながら2年7ヶ月前のメンテナンスが正しかったのかどうか答え合わせをしてみましょう。

追加補強しまくっていた柔らか接着剤をぺりぺりと剥がしまして。
いや、接着剤は変色しているけれど、この時点で既にここへの汚れや水分などの侵入はちゃんと防げている感じですよね。
柔らか接着剤で浸水防止という策は成功しているっぽいですよ。

カップからモーターアッセンブリーを取り外してみるとここで多少の汚れが見つかります。
うん、完全防止は出来ていなかったか……

よくよく見ますと、汚れは頭頂部の方が酷くて、回転面に近づくほど綺麗な状態です。
肝心の回転面からの浸水はほぼ完璧に防げたが、頭頂部の配線引っ張り出すところからの汚れや水分の侵入が防げてなかったようです。
配線出すところにも柔らか接着剤を充填はしたのですが、量が少しだったので早々に隙間が生じてしまったようです。
なお、明確に水分が侵入したわけではなく、長い時間を掛けて蒸れた空気が侵入して水分や汚れなどだけが堆積したような感じです。
筆者はU.F.O. SAを使用するときは必ず仰向けでして下着を着用のうえお布団丸めて抱っこしていることが多いので皮膚から蒸散する水分や汗が滞留しがちなのは確かです。

角度を変えて見ても、汚れは頭頂部が中心ですね。
対策するならば配線出すところの柔らか接着剤充填を強化、というところなのでしょうが、実害が軽微ですし、配線周りに変な影響が出てもアレですので、この程度で済むならこのままで良いという判断も出来そうです。

ネジを締めた後に柔らか接着剤でネジ周りを防水処理していたので、今回はネジが全く錆びておりません!成功!
ただ、再度ネジを外すのが面倒にはなります。柔らか接着剤を除去する必要があるのでね。

モーターカバーを開腹してみると、若干汚れが侵入してますね。
つまり、ここはネジ3本で締め付けて密閉出来ているかと思いきや、実は出来ていないということが分かります。
今回は気付かずにそのまま蓋を締めてしまったのですが、ここにグリースを塗って隙間を埋めて防水対策しても良かったかもしれません。
もしくはもっとアグレッシブに柔らか接着剤を挟み込んで締めても良かったのかも。
今回はその作業をせずに組み直してしまったので、数年後に今回と同じ問題が生じる可能性があります。注意しましょう。覚えてらんない絶対忘れるはこんなん。次回のメンテに期待です。

配線は至って健康。危ういところすら無いです。断線対策でモーターの周りを緩く一周させているのも全く効果的でして、配線周りは盤石です。
ここまで来て筆者も流石にこれで原因が配線にあるとは全く考えられなくなりました。
その一方で。

グリースがポソポソと生乾きのフレークみたいな状態になってしまっています。
モーターケースの密閉が不十分だったこともあり乾燥してしまったのかもしれません。
これがギア間に詰まって固着したことが疑われます。
手でギアをちょっと動かしてやって通電するとスルスルと動きました。
故障の原因はギア固着でした。
というか、分解しなくても手でちょっと動かしてやれば復旧できたレベルかと思います。
ただ、このポソポソのグリースは気になるので、清掃して新しいグリースを充填し直したいと思います。

パーツクリーナー!
面倒でも1本は持っていた方が何かと良いかと思います。
これでギア部の古いグリースを溶かし洗い流します。

ほい。粗方取り除けました。

そしたらグリースの再充填なんですけど、前回充填したグリースはわざわざホームセンターで新規購入したものだったのですが、最初からちょっと硬めだったのが気にはなっていたんです。
もしかしたら、何も考えずにウチにあるグリース吹けば良かったんじゃないだろうかと思いまして、今回は一般的により入手性が高いと思われるスプレーグリースを吹くことにしました。
前回のグリースより柔らかいので、回転力が落ちる心配も無いでしょう。(予備の方は硬いグリースを詰め込み過ぎて回転が遅くなってしまってるんです。これも直さなきゃ……)

あ、そうだ、前回のメンテについては非常に大掛かりに展開してましたので幾つも過去記事があります。
U.F.O. SA TW レビュー メンテナンス 修理 カテゴリーの記事』にまとめていますので、ご参照ください。

充填後の様子。
今回はほぼ透明のグリースです。
既に端っこの方に固まっちゃっているのはギアが回転しながらグリースを弾いてしまうのでこうなります。

分解ついでに回転部摺動状況を確認してみました。
ここも前回、防水と潤滑を目的としてグリースを塗ったところだったんですが、こちらは今回はこのままでも大丈夫かなと思ったのでこのまま組み直しました。
これをモーターケースに防水目的でやるべきやったんや……次回への宿題ですわ。

というわけで組み直して、また防水のため柔らか接着剤でカバーしまして、これで今回のメンテ完了です。
ここのカバーしているところは硬い部材と柔らかい部材が変形するところなのでどうしても柔らか接着剤が部分的に剥離してしまうところなのですが、前回のメンテでここの裏などにも柔らか接着剤を充填した結果、ここに多少の剥離が生じてもその先まで浸水はしなさそうだということが分かりましたので、ここの接着剤補強は今までほどナーバスに考えなくても大丈夫かなぁと思います。
完封出来てたもんね。こっち側は。

メンテ後の動きですが、偶にちょっとスムーズではなさそうな音が発生することがありますが、これは新品時点でのU.F.O. SAがギア部にグリース未装填だったため、筆者が初めて分解するまでの使用期間中にある程度ギアが削れてしまったせいだと考えます。
最初の分解記事『U.F.O. SAの分解と故障ケース(筆者の場合)』では筆者はモーターの摩耗粉と勘違いしているのですが、これがおそらくギアの摩耗粉でした。
筆者が自分でメンテするようになってからはこのような粉は一切出てませんので。
まあ、結果論なんですけど、即分解すべきでしたよね。高価な製品にそんなことできないけど。でも、グリース未装填とか早く故障させる罠だしなぁ……。

2025-07-07

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